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  ISO認証取得動向について

- 現在も、ISO9001、ISO14001の新規認証取得件数は、まだまだ結構多い! -


   近年、「ISOはコストばかりかかる!」「ISOは経営に役立たない!」という声をよく耳にする。実際、JAB認証を返上する企業が多くあることも事実である。
   その状況を具体的にみてみると、QMSに関するJAB適合組織数の推移は、グラフ1に示すように2007年Q1(1~3月)期から減少に転じている。換言すると、JAB認証の返上件数が認証取得件数を上回っていることを示している。
   また、EMSに関するJAB適合組織数の推移は、グラフ2に示すように2007年Q1(1~3月)期当たりから減少までには至っていないものの、増加傾向に陰りが出てきている。

グラフ1:JAB適合組織推移(QMS)

グラフ2:JAB適合組織推移(EMS)

(出典:財団法人 日本適合性認定協会のホームページより)


   では、最近における新規の認証取得件数の状況はどうなっているのだろうか。グラフ1並びにグラフ2からは、その状況をうかがい知る事ができないので、以下の表1及び表2を用いて考察してみる。この表は、グラフ1並びにグラフ2に示されている各年の増減数と、現在のJAB適合組織数を認証取得年別に示したものである。

表1:QMS(ISO9001)のJAB適合組織数の動向

表2:EMS(ISO14001)のJAB適合組織数の動向
   考察するに当たって、増減数欄ので囲った時期の増減数には認証の返上がほとんどないと仮定する。また、現在のJAB適合組織数欄ので囲った取得時期の適合組織数においては、ほとんど認証取得の返上がないと仮定する(ただし、審査会社を移管して登録した場合の件数が含まれる)。
   この前提条件でISO認証取得状況を推測してみると、QMSの取得動向においては、2002年度の7,664件が過去最高である。これに対して、直近の新規取得状況は2007年度:3,560件(前述のことから、純新規はこの数値より少ない)と、過去の最高値に比較すれば半数以下ではあるが、件数的にはまだまだISO認証取得意欲は下がっていないといえるし、その効果を認めている結果ではないだろうか。
   一方、EMSの取得動向においては、2004年度の2,984件が過去最高である。これに対して、直近の新規取得状況は2007年度:1,920件と、QMSと同様にまだまだISO認証取得意欲は高いと感じる。
   いずれにしても、ISOの認証取得は目的ではなく、企業経営そのものを効率的・効果的に運営するための手段であり、ツールである。このことを十分に理解し、継続的にシステムの改善活動(パフォーマンス改善)に取り組めば、その効果は必ず得られると確信する。